電子部品の選別篩の網をパンチング品からエッチング加工品へ

石川県電気メーカーC社様 加工事例
業種:電気接点製作業界
リベット接点を主力にされているメーカー様からの案件です。
リベット接点とは、基板やリレー・スイッチをメインとして、他の小型電磁開閉器やブレーカー等にまで幅広く使用されている部品です。
「電気を入・切する所に、電気接点あり」
我々が日常生活をする上で、電気は必要不可欠な存在であります。そこには多種多様な電気開閉機器が存在しており、各々異なる電気容量を通電、遮断しております。
この部品の選別を、今まで銅製の篩で行っており、リベット接点の頭の部分の精度により、良品と不良品とを選別してエンドユーザーへ供給しているとのことでした。
依頼詳細
ご依頼いただいたきっかけ
今回は、この篩の金属網部分の精度を上げて選別精度を上げたい、歩留を減らしたいとのご相談でした。現状の金属網は「パンチング」工法での網を使用しているとのこと。
パンチングとは・・・
パンチングについて調べてみました。
パンチング板は、鋼板(ステンレス・鉄・銅など)にプレス(金型)でたくさんの穴をあけた板です。
「パンチング」は、打抜き・穴あけの意味。
書類をファイルする時に、綴じ穴をあける道具をパンチとかパンチャーといいますが、それと同じです。業者によって、パンチングメタル・パンチングスクリーン・打抜き金網などいろいろな呼び方をしているようです。
通常は丸穴ですが、それ以外にも角穴など様々な形の穴があります。
(パンチング板製造業者さんの、持っている金型によります。)
一般的には、60°千鳥配置が多いようですが、今回のエッチングで再現するのも、この60°千鳥配置とのことでした。
課題
パンチング板には、表面と裏面があります。打抜き加工をするため、上型(上刃)側の面が表になり、上刃が突き抜ける裏面(下刃側)にはどうしてもバリがでます。
バリといっても大根おろしのように手に怪我するようなひどいものではありませんが、触ってみれば誰でもつるつるした表と、ざらざらした裏の違いが分かります。
両面バリ無し(面取り)のパンチングは、非常に困難で現実的には無理とのこと。
本題の金属篩ですが、現実的にバリがあり製品にキズが入る場合があることと、穴の大きさの公差が大きい為に、良品が通らない場合や不良品が通ってしまうトラブルもあるようでした。
実績
当社に与えられた条件としては、
1、バリなきこと
2、穴公差が±0.05以内
の2つでした。
材質は、ベリリウム銅(C1720P-1/4H)、0.4tで、穴径が2.8φの60°千鳥の為、作製出来ると判断し、見積もり後、受注となりました。
その後、客先へ訪問し、出来具合等を確認したところ、想像以上に綺麗に仕上がっており、かなり満足しているとお褒めの言葉をいただき、正式に口座開設となりました。